少年鑑別所処遇規則

(昭和二十四年五月三十一日法務庁令第58号)

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最終改正:平成一四年一二月二五日法務省令第62号


 少年院法(昭和二十三年法律第169号)第16条第3項及び第17条第3項の規定に基き、少年観護所及び 少年鑑別所処遇規則を次のように定める。

   第1章 総則

第1条  この規則は、少年法により少年鑑別所へ送致せられた少年(以下単に少年という。)の処遇を適正に行うため、必要な規定を定めるものである。

第2条  少年鑑別所においては、少年を明るく静かな環境に置いて少年が安んじて審判を受けられるようにし、そのありのままの姿をとらえて資質の鑑別を行うように心がけなければならない。

第3条  職員は、少年に対して、暖い愛情と冷静な科学的態度で、接しなければならない。

   第2章 入所

第4条  少年を入所させるには、当該官庁の発した適法の文書によるものとする。

第5条  あらたに入所した少年については、秩序と衛生を保つため、その身体、衣類及び所持品を検査しなければならない。在所中の者につき必要がある場合も、同じである。
 女子である少年の身体検査を行う場合には、成年の女子に、行わせなければならない。但し、所持品についてはこの限りでない。

第6条  あらたに入所した少年については、なるべく入浴させ、健康診断を行い、且つ予防衛生上必要な措置を講じなければならない。

第7条  少年鑑別所長は、あらたに入所した少年に対し、観護の理由及び在所中心得なければならない事項を説示し、安心と信頼感とを与えなければならない。

第8条  あらたに入所した少年は、なるべく単独室に入れなければならない。

第9条  あらたに入所した少年及び審判のため鑑別を行つた少年については、各別に少年簿を作成し、必要な事項を記載しなければならない。

   第3章 観護

第10条  男子と女子とは、分隔して収容しなければならない。

第11条  少年は、なるべく性格、経歴、入所度数、年齢、共犯関係、審判の進行状況等を斟酌して、互に居室を別にしなければならない。

第12条  手錠の使用は、他に適当な措置がない場合に限るものとする。
 緊急を要する状態にあつて、手錠の使用について、あらかじめ少年鑑別所長の許可を受けるいとまのないときは、使用した後、すみやかに少年鑑別所長の承認を受けなければならない。
 手錠を使用する必要がなくなつたときは、ただちにその使用をやめなければならない。

第12条の2  少年鑑別所長は、連戻しについて、警察官に援助を求めるには、書面によらなければならない。但し、緊急を要するときは、口頭その他適当な方法によることができる。この場合においては、援助を求める旨の書面をできる限りすみやかに送付しなければならない。

第12条の3  少年鑑別所長は、連戻状の発付を受けた場合には、連戻しについて援助を求めた警察官に、これを送付しなければならない。但し、送付できない場合は、連戻状が発せられている旨を通知すれば足りる。

第12条の4  少年鑑別所長は、連戻しについて警察官に援助を求めた場合において、警察官から逃走した者を保護している旨の通知があつたときは、すみやかに連れ戻す措置を講じなければならない。

第13条  天災地変等に際し、少年の身体及び生命の危険を避けるため採らるべき必要な処置については、あらかじめ計画を立て、訓練をしておかなければならない。

第14条  少年には、つとめて読書その他適当な娯楽を与えなければならない。

第15条  少年が家庭裁判所その他の場所へ出頭する場合には、職員が同行しなければならない。

第16条  少年の同行にあたつては、逃走を防止し、且つ、少年の名誉心を害することのないように、注意しなければならない。

第16条の2  少年法第26条の2の規定による収容の継続は、家庭裁判所の収容決定書の謄本に基いてしなければならない。

   第4章 鑑別

第17条  鑑別は、少年の素質、経歴、環境及び人格並びにそれらの相互の関係を明らかにし、少年の矯正に関して最良の方針を立てる目的をもつて、行わなければならない。

第18条  鑑別にあたつては、医学、精神医学、心理学、教育学、社会学等の知識及び技術に基いて、調査と判定とを行わなければならない。

第19条  鑑別のための調査は、おおむね次の事項について行わなければならない。
 近親者及び保護者
 生育歴、教育歴及び職業歴
 身体状況及び精神状況
 不良行為歴及び本事件の行為
 入所後の動静
 その他参考事項

第20条  前条の調査にあたつては、家庭裁判所から資料を得ることにつとめ、必要があるときは、市町村役場、警察官署、学校等に照会して、調査することにつとめなければならない。
 前項の資料によつて調査のできる事項に関しては、少年との面接調査は、できるだけ避けなければならない。

第21条  鑑別の判定は、調査の結果を綜合し、おおむね次の諸点について行うものとする。
 保護処分決定の資料となるべき事項
 観護処遇の方針に関する事項
 少年院の処遇、指導及び訓練に関する観告事項
 その他将来の保護方針に関する観告事項

第22条  鑑別の結果は、裁判に資するため、遅滞なく裁判所に送附しなければならない。

第23条  鑑別の結果は、少年簿に記載しなければならない。

   第5章 給養

第24条  少年の衣類、寝具その他日常生活に必要な物品は、貸与又は給与する。
 前項の貸与品及び給与品の種類及び数量の基準は、別に定める。

第24条の2  自弁品の使用は、紀律及び衛生に害がない限り、許可することができる。

第24条の3  貸与品及び給与品については、貸与品簿及び給与品簿に必要な事項を記載しなければならない。

第25条  少年には、健康を保ち、且つ、心身の発育を増進するために必要な糧食及び飲料を給与する。

第26条  少年鑑別所長は、少年に対し、法務大臣が別に定める糧食の一人一日当たりの熱量等の基準に従い、これを給与するものとする。

第26条の2  少年鑑別所長は、少年に対し、飲料として、湯茶を給与するものとする。

第26条の3  少年鑑別所長は、少年の健康の保持上特に必要があると認める場合又は少年に対して治療を施している場合には、前2条の規定によらない糧食及び飲料(酒類を除く。以下同じ。)を給与することができる。
 少年鑑別所長は、前項に規定する糧食及び飲料を給与しようとする場合には、あらかじめ、少年鑑別所の医師の意見を聴くものとする。

第26条の4  祝日(国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第178号)第2条に規定する国民の祝日をいう。)並びに一月二日及び三日には、少年鑑別所長は、第26条及び第26条の2の規定にかかわらず、特別の糧食及び飲料を給与することができる。
 前項に規定する日のほか、少年鑑別所において特別な行事を行う場合及び少年の処遇上適当と認められる場合も、同項と同様とする。

第27条  近親者又は保護者から送られた糧食及び飲料は、規律に反せず、且つ、衛生に害がない場合に限り、その受領を許す。

   第6章 医療及び衛生

第28条  少年の身体、衣類、居室等は、常に清潔を保つようにつとめなければならない。

第29条  居室の清掃及び整頓、衣類の洗濯及び補修その他環境の清潔を保つための必要なことは、少年にこれを行わせることができる。

第30条  少年には、なるべく毎日、居室外で運動をさせなければならない。

第31条  少年には、一定の基準を定めて、理髪及び入浴をさせなければならない。
 衛生上必要があると認めるときは、少年の頭髪を丸がりにすることができる。

第32条  少年に対しては、必要に応じ、体格検査及び健康診断を行う。
 女子の体格検査の場合は、成年の女子を立会はせなければならない。

第33条  少年が疾病にかかつたときは、医療を施さなければならない。
 病者はなるべく病室に収容し、必要があると認めるときは、特別の衣類及び寝具を与えなければならない。
 病室に収容した少年について、近親者又は保護者から看病を願い出たときは、これを許すことができる。

第34条  前条第1項の場合において、少年鑑別所内で適当な医療を施すことが出来ないときは、家庭裁判所の許可を受け、一時これを病院に入れ、又は自宅その他の適当な場所で医療を受けさせることができる。

第35条  感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第114号)に定める感染症その他感染性の疾病が発生し、又は発生する虞があるときは、予防を厳にし、適切な措置を講じなければならない。

第36条  少年が重態となり、又は重態となる虞があるときは、直ちに、近親者又は保護者に、その旨を通知しなければならない。
 前項の場合において、必要があると認めるときは、家庭裁判所の許可を受け、少年を退所させた上治療させることができる。

第37条  少年の疾病治療に関しては、外部の保健機関の協力を求めることができる。

   第7章 面会及び通信

第38条  少年に対し面会を申し出た者があるときは、近親者、保護者、附添人その他必要と認める者に限り、これを許す。

第39条  面会にあたつては、職員が立会い、観護及び鑑別に害がないようにつとめなければならない。
 前項の立会は、附添人との面会には、これを適用しない。近親者又は保護者との面会につき必要があると認める場合も、同じである。

第40条  通信の発受は、所内の規律に反しない限り、これを許す。

第41条  近親者が重態であるとき、又は死亡したときは、家庭裁判所の許可を受けて、少年を往訪させ、又は葬儀に参列させることができる。

   第8章 領置

第42条  少年の所持する金銭及び物品は、本人立会の上点検して領置する。
 少年が自弁する物品は、前項に準じて点検し、領置簿にその品目数量等を書きとめた上、使用させる。

第43条  物品のうち、価値がないと認めるものは、本人に廃棄させることができる。

第44条  物品を領置した場合には、洗濯、消毒その他適当な処置を施した後、保管しなければならない。

第45条  金銭を領置した場合において、保管上適当であると認めるときは、本人の名においてこれを預金し、その通帳を保管することができる。

第46条  領置した金銭及び物品は、退所のとき本人に交付する。但し、必要があると認めるときは、在所中でも、本人に交付することができる。
 前項の場合には、領置簿にその旨を記載し、本人に押印させなければならない。

   第9章 退所

第47条  少年を退所させるには、収容期間が満了した場合を除くほか、当該官庁の発する適法の文書によらなければならない。
 退所の手続は、なるべく速やかに終らなければならない。

第48条  少年鑑別所長は、退所する少年に対し、退所の言渡及び将来を戒しめるための説示をしなければならない。

第48条の2  少年院法第17条の3の規定による旅費又は衣類の給与は、本人が領置金品その他の方法によりこれを調達することができるかどうかをあらかじめ確めた上で、決定しなければならない。
 旅費は、帰住地までの鉄道、船車等に要する実費とする。但し、乗車券又は乗船切符の支給をもつて現金の支給に代えることができる。
 衣類は、時季に相当した通常のものとする。

第49条  少年が退所するに当り必要があると認めるときは、停車場その他適当な場所まで職員が附き添わなければならない。

第50条  疾病を治療中の少年が退所するに当り、近親者又は適当な保護者がないときは、本人の願出によつて引き続き在所させることができる。

   第10章 雑則

第51条  少年院法第17条の4第1項に規定する遺留金品については、進んで関係人に通知するように努め、且つ、その交付の請求があつたときは、死亡者の相続関係を調査し、正当な相続人に交付されるように留意しなければならない。

第52条  犯罪者予防更生法(昭和二十四年法律第142号)第45条第2項の規定により少年鑑別所に留置された者の取扱については、少年に関する規定を準用する。
 少年院法第17条の2の規定により少年鑑別所に仮に収容された者の取扱についても、仮収容の性質に反しない限り、前項と同じである。

   附 則

 この規則は、少年法(昭和二十三年法律第168号)施行の日から適用する。
   附 則 (昭和二五年四月一五日法務府令第36号)

 この府令は、公布の日から施行する。
   附 則 (昭和二六年九月一〇日法務府令第138号)

 この府令は、公布の日から施行する。
   附 則 (昭和二七年八月一日法務省令第7号) 抄

 この省令は、公布の日から施行する。

   附 則 (昭和二八年七月二七日法務省令第59号)

 この省令は、昭和二十八年八月一日から施行する。
   附 則 (昭和三〇年八月五日法務省令第131号)

 この省令は、少年院法の一部を改正する法律(昭和三十年法律第135号)の施行の日から施行する。
   附 則 (平成一一年三月三〇日法務省令第24号)

 この省令は、平成十一年四月一日から施行する。
   附 則 (平成一四年一二月二五日法務省令第62号)

 この省令は、平成十五年一月一日から施行する。

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