婦人補導院処遇規則
(昭和三十三年四月一日法務省令第8号)
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最終改正:平成一四年一二月二五日法務省令第62号
婦人補導院法(昭和三十三年法律第17号)第3条、第4条、第10条、第12条第1項、第15条第1項及び第21条第1項の規定にもとづき、並びに同法を施行するため、
婦人補導院処遇規則を次のように定める。
第1章 総則
(この規則の趣旨)
第1条
この規則は、婦人補導院の在院者の処遇を適正に行うため必要な事項を定めるものとする。
(処遇の方針)
第2条
婦人補導院の職員(以下「職員」という。)は、在院者の処遇にあたり、明るい環境のもとで在院者がすすんで更生に励むように、理解ある態度をもつて親切に接しなければならない。
(職員)
第3条
在院者の処遇にあたる職員は、なるべく婦人とし、かつ、補導に必要な研修訓練を受けた者でなければならない。
(処遇審査会議)
第4条
婦人補導院の長(以下「院長」という。)は、在院者の分類級、補導の計画、仮退院の申請その他処遇に関し重要な事項を決定するにあたつては、処遇審査会議の意見を聞かなければならない。
2
処遇審査会議の組織その他必要な事項は、法務大臣が定める。
第2章 入院
(入院時の必要文書)
第5条
入院は、収容状その他の適法の文書によるものとする。
(伝染病患者の入院)
第6条
院長は、入院すべき者が感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第114号)により予防方法の施行を必要とする疾病にかかつているときは、直ちに、この旨を検察官に通報するとともに、保健所等への通報その他その者を適当な病院等に入院させるに必要な処置をとらなければならない。
(身体検査等)
第7条
入院した者については、入院後直ちに、その身体、衣類及び所持品を検査しなければならない。
2
前項の処置は、婦人の職員が行うものとする。
(健康診断等)
第8条
あらたに入院した者については、健康診断を行い、入浴をさせ、かつ、予防衛生上必要な処置をとらなければならない。
(入院時の説示)
第9条
院長は、あらたに入院した者に対し、婦人補導院の使命、日課及び行事の概要その他必要な事項を説示し、かつ、本人に信頼感と希望をいだかせるように努めなければならない。
第3章 分類処遇
(入院時の分類調査)
第10条
あらたに入院した者については、すみやかに分類調査を行わなければならない。その期間は、おおむね二十日とする。
2
前項の調査は、医学、精神医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識を活用して行わなければならない。
3
第1項の調査にあたつては、在院者の行動についての職員の記録を資料としなければならない。
4
院長は、第1項の調査にあたり、裁判所、検察庁、保護観察所、婦人保護施設その他の関係機関から資料を得ることに努めなければならない。
(調査期間中の処遇)
第11条
前条第1項の調査期間中の者は、調査後の在院者と接触させないようにしなければならない。
2
院長は、前項の調査期間中の者に対し、その個性の発現を妨げないように特別の日課を定めなければならない。
(分類級の決定)
第12条
院長は、第10条の規定による調査を終了したときは、すみやかに、在院者の分類級及び補導の計画を定めなければならない。
2
在院者の分類級は、少くとも次に掲げる四の級を含むものとする。
一
疾病により療養を要する者
二
知的障害者
三
性格異常者
四
心身ともにおおむね正常な者
3
院長は、補導の計画をなるべく在院者に知らせて本人の努力を促すとともに、保護者及び関係機関に知らせることによつて、その協力を得ることに努めなければならない。
(分類級による処遇)
第13条
在院者の処遇は、分類級に応じて定めた補導の計画にもとづいて行わなければならない。
2
第12条第2項に掲げる分類級に対する補導の計画は、同項各号に掲げる級に応じ、それぞれ、次に掲げる事項を重点としなければならない。
一
更生の妨げとなる疾病に対する医療を行うこと。
二
特殊教育により精神的欠陥を補整し、及び能力に応じた技能を付与すること。
三
心理療法及び作業療法により社会適応性を養わせること。
四
基礎的教養を授け、及び自活するための職業的能力を付与すること。
3
分類級による処遇については、これを二期に分け、後の期の者には、自治的生活をさせその他分類級にふさわしい向上した取扱をするものとする。
(分類再調査等)
第14条
院長は、少くとも毎月一回、在院者の分類調査を行つてその結果を審査し、必要と認めるときは、分類級又は補導の計画を変更しなければならない。
2
職員は、在院者に対する補導の計画を熟知し、その日常の行動を細かく観察して、前項の調査に資さなければならない。
(収容区分)
第15条
在院者は、分類級の別に従つて、なるべく区分して収容するものとする。
(居室)
第16条
居室の指定は、分類調査の結果にもとづかなければならない。
2
在院者は、特に必要のある場合のほか、共同の居室に収容する。
第4章 補導
(日課)
第17条
院長は、在院者の分類級、期別及び補導の計画に応じた日課を定めなければならない。
(生活指導)
第18条
生活指導は、次の各号に掲げる事項について行うものとする。
一
社会に適応する性格を育成し、かつ、性道徳を自覚させその他婦人としての徳性を養わせること。
二
家事、保健その他婦人に必要な知識又は技能を与え、かつ、これを活用する習慣を養わせること。
三
職業に関する知識を与え、勤労に親しませ、かつ、正しい生活態度を身につけさせること。
四
視聴覚教育、レクリエーシヨン等を通じて婦人としての情操を豊かにさせること。
五
その他社会生活に必要な素養を与えること。
(生活指導の方法)
第19条
在院者の生活指導は、相談、助言その他の方法による個別指導及び集団指導とする。
(篤志面接指導の委嘱)
第20条
院長は、学識経験のある篤志家に在院者に対する面接による指導を委嘱することができる。
(自己の図書の閲読)
第21条
在院者には、管理上支障がない限り、自己の図書、雑誌及び新聞紙を閲読させるものとする。
(宗教)
第22条
院長は、在院者が宗教行事を行い、又はこれに参加することを願い出たときは、管理上支障がない限り、これを許さなければならない。
(職業の補導の種目)
第23条
職業の補導は、在院者の適性、希望及び将来の生計の見込により適当と認められる種目について行うものとする。
(賞与金の計算等)
第24条
職業の補導を受けた者に対する賞与金(以下「賞与金」という。)は、職業の補導の種目、成績等により、法務大臣の別に定めるところに従つて計算しなければならない。
2
賞与金は、退院又は仮退院の時に支給する。
3
院長は、在院者がその子又は親の扶助その他やむを得ない用途に使うことを願い出たときは、その賞与金の一部を在院中に支給することができる。
(手当金の種類等)
第25条
婦人補導院法(昭和三十三年法律第17号。以下「法」という。)第12条の規定による手当金は、次の三種とする。
一
死亡手当金
二
障害手当金
三
傷病手当金
2
前項の手当金は、死亡又は傷病の原因、障害又は傷病の程度その他の事情を参酌して、法務大臣の定めるところにより支給するものとする。
(院外補導の監督)
第26条
院長は、職業の補導のため在院者を単独で院外に出す場合には、職員に随時視察をさせる等適当な監督の方法を講じなければならない。
(自己労作)
第27条
院長は、在院者に自己労作を行わせるにあたつては、その適性及び将来の生計を参酌して、適当なものを選択するよう助言しなければならない。
2
自己労作は、補導上支障を生じないように行わせるものとする。
第5章 給養
(被服及び寝具の基準)
第28条
在院者に貸与する被服及び寝具の種類、数量及び製式の基準は、法務大臣が定める。
(糧食及び飲料の給与)
第28条の2
在院者に給与する糧食及び飲料は、保健衛生上適切なものでなければならない。
(糧食の基準)
第28条の3
院長は、在院者に対し、法務大臣が別に定める糧食の一人一日当たりの熱量等の基準に従い、これを給与するものとする。
(湯茶の給与)
第28条の4
院長は、在院者に対し、飲料として、湯茶を給与するものとする。
(医師の意見による糧食及び飲料の給与)
第28条の5
院長は、在院者の健康の保持上特に必要があると認める場合又は在院者に対して治療を施している場合には、前2条の規定によらない糧食及び飲料を給与することができる。
2
院長は、前項に規定する糧食及び飲料を給与しようとする場合には、あらかじめ、医師の意見を聴くものとする。
(特別の糧食及び飲料の給与)
第28条の6
祝日(国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第178号)第2条に規定する国民の祝日をいう。)並びに一月二日及び三日には、院長は、第28条の3及び第28条の4の規定にかかわらず、特別の糧食及び飲料を給与することができる。
2
前項に規定する日のほか、婦人補導院において特別な行事を行う場合及び在院者の処遇上適当と認められる場合も、同項と同様とする。
(酒類及びたばこの使用禁止)
第29条
在院者は、酒類及びたばこを用いることができない。
第6章 衛生及び医療
(保健衛生の管理)
第30条
院長は、在院者の心身の健康を保護し、及び居室、炊事場等の清潔を保持するため、医師の意見により、適切な処置をとらなければならない。
2
健康診断、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第114号)に定める感染症の予防その他在院者の健康管理の基準は、法務大臣が定める。
(病院等への移送)
第31条
院長は、婦人補導院で適当な医療を施すことができないときは、在院者を一時病院又は診療所に入れて医療を受けさせることができる。
2
分べんは、病院、診療所又は助産所において行わせるものとする。
(自費治療等)
第32条
院長は、在院者が自費で医療を願い出たときは、医師の意見を聞いて、これを許すことができる。
2
在院者が自費による薬剤の使用を願い出たときも、前項と同様とする。
(入浴、整髪)
第33条
在院者には、一週間に少くとも二回、入浴させるものとする。
2
在院者には、つねに、その頭髪の清潔を保たせ、かつ、これを見苦しくないように整えさせなければならない。
第7章 外部との交通
(面会の立会)
第34条
院長は、在院者の面会にあたり、管理上必要と認めるときは、職員をこれに立ち会わせることができる。
(通信の検査)
第35条
法第8条第2項の規定により通信の内容を検査する場合には、分類調査の記録その他の資料によつて、通信の相手方と本人との関係等その理由を明らかにしなければならない。
(検査の理由等の記録)
第36条
院長は、在院者の発受する通信の内容を検査したときは、その理由を記録しておかなければならない。
2
検査により通信の内容を削除した場合において、その内容及び理由についても、前項と同様とする。
(通信に要する費用)
第37条
在院者の通信に要する費用は、本人の負担とする。ただし、本人がこれを負担することができないときは、国が支弁することができる。
(臨時外出の理由)
第38条
院長が在院者に臨時外出を許すにあたつては、次の各号の一に掲げる理由がなければならない。
一
在院者の近親者又は保護者が死亡し、又は重病にかかつたとき。
二
火災その他の非常災害により、在院者又は前号に掲げる者の住居又は家財に著しい損害があつたとき。
三
その他在院者が出向かなければ本人に回復できない不利益を生ずるおそれがあるとき。
(臨時外出の監督)
第39条
在院者の臨時外出にあたつては、職員をこれに同伴させなければならない。ただし、院長が適当と認めるときは、単独で外出させることができる。
(臨時外出の費用)
第40条
臨時外出の費用は、在院者の負担とする。ただし、本人に負担する能力がないときは、これを国が支弁することができる。
第8章 賞罰
(賞の種類等)
第41条
賞は、賞状、賞票及び賞金の三種とする。
2
賞金を与える場合、その額の範囲その他賞金の授与の基準は、法務大臣が定める。
3
院長は、適当と認めるときは、賞金に替えて賞品を与えることができる。
4
第1項の賞は、あわせて与えることができる。
(遵守事項)
第42条
法第11条第1項の遵守すべき事項は、次のとおりとする。
一
法又はこの規則によりとられた処置に従うこと。
二
院長が特に定める事項に従うこと。
三
その他規律維持のため職員の指示する事項に従うこと。
2
前項の遵守すべき事項は、在院者に周知させなければならない。
(懲戒の言渡)
第43条
懲戒の言渡は、院長がみずから行わなければならない。
(謹慎の執行)
第44条
法第11条第1項第2号の規定による謹慎の懲戒を執行中の者については、院長は、その心身の状況に留意し、特別の日課による補導を行わなければならない。
第9章 領置
(所持物等の記録)
第45条
在院者が所持し、又は在院者にあてて送付された物については、本人を立ち会わせて点検し、その品目、数量その他の必要な事項を記録しなければならない。
(領置物の保管)
第46条
在院者の領置物の保管については、洗濯、消毒その他適当な処置をとらなければならない。
(領置物の交付)
第47条
領置物は、退院又は仮退院の際に交付する。
2
院長は、在院者がその領置物を正当な用途に使うことを願い出たときは、これを許すことができる。
第10章 退院及び仮退院
(退院)
第48条
退院は、補導処分の期間満了の翌日午前中に行うものとする。
第49条
削除
(仮退院の通知)
第50条
院長は、地方更生保護委員会から仮退院の決定書の謄本又は抄本を受け取つたときは、すみやかに、仮退院の日時その他必要な事項を近親者その他の保護を引き受ける者に通知しなければならない。
(帰住旅費)
第51条
法第18条の規定により給与する旅費は、帰住地までの旅行に要する実費とする。この場合においては、運賃の代りに乗車券又は乗船切符を支給することができる。
第11章 雑則
(保護)
第52条
院長は、つねに在院者の保護関係に留意し、その社会復帰を円滑にするため必要があると認めるときは、保護観察所の長にその者の環境の調整に関する処置を求めなければならない。
(子の保育)
第53条
院長は、法第17条の規定により在院者に子の保育を許す場合には、特に母子を収容する居室を設け、これに収容しなければならない。
2
在院者の補導中は、その子を特に設けた保育室に収容しなければならない。
(子の引渡の措置)
第54条
院長は、在院者に子の保育を許した場合においても、適当な保護者にその子を引き取ることを連絡し、又は児童福祉法(昭和二十二年法律第164号)による措置をとることに留意しなければならない。
(保護具の使用)
第55条
院長は、保護具を使用したときは、直ちに、その使用について、医師の意見を聞かなければならない。
2
保護具の使用について、院長の許可を受けるいとまのなかつたときは、使用後直ちに院長に報告して、その承認を得なければならない。
3
保護具の使用中は、被使用者に対する観察を励行し、その使用の必要がなくなつたときは、直ちに使用をやめなければならない。
4
保護具を使用した場合には、使用の理由、開始及び解除の日時、使用中の動静その他必要な事項を記録しなければならない。
(面接)
第56条
院長は、在院者から処遇又は一身上の事情に関する申立を聞くため、随時、在院者に面接するように努めなければならない。
(不服申立)
第57条
在院者は、院長のとつた処置について不服があるときは、法務大臣又は矯正管区の長に書面をもつて申立をすることができる。
(連戻しの援助を求める手続)
第58条
院長は、連戻しについて警察官に援助を求めるには、書面によらなければならない。ただし、緊急を要するときは、口頭その他適当な方法によることができる。この場合においては、援助を求める旨の書面をできる限りすみやかに送付しなければならない。
(死亡の通知、仮埋葬)
第59条
在院者が死亡したときは、病名、死因及び死亡の日時をすみやかに近親者又はその他適当と認める者に通知し、遺体を引き取らせなければならない。
2
前項の場合において、引取人がないときは、葬儀の上、仮に埋葬しなければならない。
(遺留金品の交付)
第60条
法第19条第1項の遺留金品については、すみやかにこれを本人の遺族に交付するように努めなければならない。
附 則
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (昭和四九年六月二八日法務省令第52号) 抄
(施行期日)
1
この省令は、昭和四十九年七月一日から施行する。
附 則 (平成一一年三月三〇日法務省令第24号)
1
この省令は、平成十一年四月一日から施行する。
附 則 (平成一四年一二月二五日法務省令第62号)
この省令は、平成十五年一月一日から施行する。
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